制作:2024年1月

キットについて

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するデミバーディングです。学園の実習機としておなじみのデミトレーナーと同じ「デミシリーズ」の系譜にありながら、こちらは背中に大型のバックパックを背負った、いかにも重装備な支援機になっています。劇中では、乗機を失ったチュチュに与えられた新型として登場しました。

2023年6月10日発売・2,090円(税10%込)。限定品ではない通常販売のキットなので、「今すぐ欲しい」と思ったときに苦労せず定価で買えるのがありがたいところです。

作りもとても素直です。シルエットの主役である背中の大型バックパック(バオリパック)は分離でき、脚部のスラスターに格納されたビームサーベルは抜き出してそのまま持たせられます。合わせ目がほとんど出ないパーツ構成で、素組みでも完成度は高め。弱点はフロント・リアスカートの裏側や足裏の肉抜き穴が目立つことくらいです。

宇宙世紀のジェガンや重MSを思わせる武骨なプロポーションから、ミリタリー塗装の素体としても人気のあるキットです。今回の制作も、まさにその方向でした。

キット情報

BANDAI HOBBY 公式サイト
HG 1/144 デミバーディング

制作工程

  • 素組み・仮組み
  • パーティングライン消し・やすりがけ
  • 全塗装(ミリタリーカラーへ変更)
  • 墨入れ
  • トップコート(艶消し)

配色プラン:成形色の役割ごと塗り替える

デミバーディングの成形色は、白めの面積が大きく、そこに黄土色(ダークイエロー系)のパーツとグレーが組み合わさった配色です。素組みでも十分きれいなのですが、背中に砲を2門積んだ支援機という設定を眺めているうちに、「これはミリタリー調のほうが似合うのでは」と思うようになりました。

そこで決めたのが、機体全体をオリーブドラブ系でまとめる方向です。ポイントは、白い面と黄土色の面を、どちらも同じ系統の色に置き換えること。

  • 白かった面 → C56 明灰緑色にC38 オリーブドラブ(2)と白を混ぜた、淡いカーキ
  • 黄土色だった面 → C38 オリーブドラブ(2)をそのまま乗せた、濃いオリーブ

明度差はしっかり残しつつ、色味は同じ緑〜茶の系統に揃うので、派手さは消えても情報量は落ちません。混色に使った明灰緑色はもともと飛行機模型用の、少し緑に振れたグレーです。これを白に混ぜると、ただ「白を汚した色」ではない、空気を含んだような淡いカーキになってくれます。

武装と背中のバックパックは、あえて機体色から切り離して金属色にしました。カーキの機体色の中でここだけが冷たい質感になるので、重い装備を背負っている感じが強調されます。

塗装レシピ

部位塗料
本体(もとの白い部分)C56 明灰緑色 + C38 オリーブドラブ(2) + 白 の混色
本体(もとの黄土色の部分)C38 オリーブドラブ(2)
関節・グレー部C28 黒鉄色
武器(ビームライフル・ビームキャノン)C28 黒鉄色
バックパックC61 焼鉄色
トップコートGX113 Mr.スーパークリアーIII UVカット つや消し

ポイント: 「白 → 淡いカーキ」「黄土色 → 濃いオリーブ」と2つの面を同じ系統でまとめるのが今回の肝です。差し色を1色も足さないぶん、金属色の黒鉄色・焼鉄色がそのまま差し色として効いてくれます。

制作メモ

うまくいったこと

  • 明灰緑色ベースの混色が狙いどおりでした。白に直接オリーブを混ぜるより濁りが少なく、光の当たり方で緑にも茶にも見える淡いカーキになっています
  • 黒鉄色と焼鉄色の2色使いで、武器とバックパックにきちんと差が出ました。どちらも金属色なので浮かず、それでいて同じ色に見えないのがちょうどよかったです
  • グリーンのクリアパーツ(目)は塗らずに残したので、カーキ一色の中で目だけが鮮やかに光ります。落ち着いた配色ほど、この一点が効いてきますね

撮影して気づいたこと:とにかくポーズが決まる

完成後に写真を撮っていて実感したのが、可動範囲の広さと、足裏の接地面の大きさです。大柄な足がしっかり地面をつかんでくれるので、重いバックパックを背負ったままでも姿勢が安定します。

おかげで膝立ちのポーズもバッチリ決まりました。背中のバオリパックを構えた射撃姿勢から、ライフルを担いだ立ち姿まで、撮影中にポーズで悩むことがほとんどなかったキットです。

挑戦したこと:成形色から色を離す

これまでは「成形色に近い色できれいに塗り直す」制作が多かったのですが、今回はもとの配色をいったん忘れて、機体の役割から色を決めるやり方を試しました。

支援砲撃機というキャラクターを手がかりにミリタリー調へ振ってみると、同じキットでもぐっと印象が変わります。作品の設定どおりの色ではなくなりますが、「この機体が実際に運用されていたらどんな塗装か」を想像して決めるのは、想像以上に楽しい工程でした。

完成ギャラリー

使用塗料

Mr.カラー C56 明灰緑色(中島系) Amazon検索
Mr.カラー C38 オリーブドラブ(2) Amazon検索
Mr.カラー C28 黒鉄色 Amazon検索
Mr.カラー C61 焼鉄色 Amazon検索
Mr.スーパークリアーIII GX113 UV カット つや消し Amazon検索