制作:2026年6月
このキットを選んだ理由
先に作った HG グスタフ・カール00型 がとても良かったので、「作品の中で実際に戦闘がある量産機」をもう一機作りたくなりました。そこで選んだのが、同じ閃光のハサウェイ/キルケーの魔女に登場する HG 1/144 メッサーM01型(ガウマン機) です。
選んだ決め手はこのあたりです。
- 時代背景が同じ(宇宙世紀/同年代の量産型MS)で、グスタフ・カールと並べたときに世界観がそろう
- 大きさもほぼ同じで、コレクションとして見栄えがする
- どちらも量産型。やられ役寄りの機体ならではの「数を感じる」リアルさを出したい
- 最新キットで、グスタフ・カール同様に造形が良い
- 立ち寄った家電量販店ですぐ手に入ったこと
キットについて
メッサーM01型(ガウマン機)の一番の驚きは、まさかの「完全新規造形」だという点です。設定上は先に出た「HG メッサーF01型」と内部フレームを共有していますが、プラモデルとしては流用パーツがほぼなく、外装からフレーム構造まで一新されています。シルエットもF型よりマッシブで、頭部・胸部・脚部の装甲が強調された、横幅と密度感のある力強いプロポーションに仕上がっています。
作る側として嬉しいポイントもしっかり押さえてあります。
- 「塗装が間に合わず地色が出ている左肩」を専用パーツで再現。劇中設定をそのまま立体化したグレーの左肩が用意されています(このあたりは塗装でどう遊ぶか迷いどころです)。
- 色分けが優秀。脚部のイエローなど細部までパーツ分割されていて、付属シールは最小限。
- ポリキャップレス(KPS等)仕様ながら、大型キットでもしっかりした保持力。フロント・リアスカートも外れにくい構造に改良されています。
ネットの評判も上々で、「F型を持っていても買う価値がある"別物レベル"」「大型なのにサクサク組めるのに精密」と高評価。一方で、可動域は及第点レベル(極端なアクションは苦手)で、定価3,740円とF01型より高めなぶん「武装ギミックの少なさを思うと少し割高」という声もあります。とはいえ、量産機を素性の良いキットでじっくり塗りたい人には文句なしの一台だと思います。
キット情報
制作工程
1. 配色計画
狙い:量産型らしさと、グスタフ・カールとの統一感。
今回の配色は、AIで線画から複数の配色パターンを作って見比べ、その中からデザート(砂漠)仕様を採用しました。実機の色からガラッと変えていますが、量産機ならではの"運用された感"を出したいと思い、土っぽい配色に振っています。
(このAIを使った配色の手順は、別途ハウツー記事にまとめる予定です。)
使った色
| 用途 | 塗料 |
|---|---|
| 赤系装甲 | Mr.カラー C41 レッドブラウン |
| サンド/ベージュ系 | Mr.カラー C19 サンディブラウン |
| グレー装甲 | Mr.カラー C40 ジャーマングレー |
| 内部フレーム・金属部 | Mr.メタリックカラーGX GX218 グラファイトブラック |
| 武器・メタル部 | Mr.カラー C61 焼鉄色(バーントアイアン) |
2. パーツ切り出し
まずはランナーから全部のパーツを切り出して、あとから色ごとに仕分けしていきます。ここは特別なノウハウというものはなく、いつもどおりのやり方です。
ひとつだけ気をつけているのは、クリアパーツのような小さくて塗装しないパーツは、最後までランナーごと取っておくこと。先に切り離すと小さいパーツは紛失しやすいので、必要になるまでランナーに付けたままにしています。
3. ゲート処理
やったこと:アルティメットニッパーで2度切り → ガラスヤスリで仕上げ、というシンプルな手順です。
失敗・反省
今回の判断(時短):ヒケはそれほどひどくなく、最終的に汚し仕上げにする予定なので、ヒケ消しなどの表面処理は省略して時短しています。汚しを乗せれば多少のアラは目立ちにくくなるので、ここは割り切りました。
4. 塗装
やったこと:サフ(下地)は吹かず、いきなり塗装しています。
考え方:汚し系の仕上げにするなら、ラッカー塗料の発色でサフは要らないと考えています。それよりも、時短でそこそこのクオリティを狙うのが今回の方針です。
使った塗料と使ってみた感想
| 塗料 | 感想 |
|---|---|
| C41 レッドブラウン | 初めて使う色。成形色よりグッと濃い茶色で、発色は良好です。 |
| C19 サンディブラウン | 初めて使う色。成形色とほぼ同じで、若干の黄色味。C41同様に発色が良いです。 |
| C40 ジャーマングレー | 黒系の艶消しの鉄板。普通の黒より少しグレー味があるのがお気に入りです。 |
| GX218 グラファイトブラック | 新色に挑戦。金属粒子が細かく、繊細な発色でかなり良いです。発色自体は文句なしでした(艶消し後の見え方は工程8で後述)。 |
| C61 焼鉄色 | フレーム・武装・バーニアで迷ったらコレ、という定番。安定感のある発色です。 |
5. 仮組み
塗装が終わったパーツを一度ぜんぶ組んで、全身のバランスと色のまとまりを確認します。砂漠仕様の土っぽい配色が、狙いどおりグスタフ・カールと並べても世界観のそろう雰囲気になりました。
6. 艶消しコーティング(ウォッシングの下地)
ウォッシングの前に一度、艶消しコートを挟みました。狙いは2つです。
- 艶消しで表面が少しザラつくぶん、ウォッシングの定着(食いつき)が良くなる(汚れの付きやすさは 光沢 → 半光沢 → つや消し の順で強くなる)
- 艶消し膜が下地塗装の保護層になり、エナメルや油彩を拭き取っても下のラッカー塗装を傷めにくい=失敗してもやり直せる"セーブポイント"になる
面全体に汚れを乗せる今回の汚し仕上げには、つや消し下地がよく合いました。考え方は以下の記事が参考になります。
- 失敗しないウェザリング!ガンプラ汚し塗装の手順(リターンモデラー)
- トップコートスプレーは、汚し塗装の「セーブポイント」だ!(nippper)
- Mr.ウェザリングカラーでウォッシングするやり方(筆塗りおじさん)
7. ウォッシング・チッピング(汚し)
使ったのは Mr.ウェザリングカラー WC01 マルチブラックと、Mr.ウェザリングカラー専用薄め液です。全体に乗せて拭き取り、運用された量産機らしい使用感を出していきます。
失敗・反省
次の一歩
8. ドライブラシで金属感(艶消しの"後"に実施)
仕上げの艶消しトップコートを吹いたあと、最後にドライブラシでエッジへ金属感を乗せました。
今回の収穫
失敗・反省
なお、金属色の GX218 グラファイトブラックは発色こそ良かったものの、艶消し仕上げと合わせると、定番の C61 焼鉄色でも十分だったかもしれない、という感触でした。次回は艶消し前提で、この2色を改めて使い分けてみたいと思います。
9. 最終組み立て(別塗りバーニア・クリアパーツ)
別で塗っておいたバーニアや、温存していたクリアパーツを組み込んで完成です。小さいパーツを最後までランナーに残しておいた作戦も、紛失なく組み上げられて正解でした。
制作メモ
うまくいったこと
- ドライブラシを艶消しの後に回す作戦が成功し、金属感を残せた(前作の反省を克服)
- AI配色のデザート仕様が狙いどおりハマり、グスタフ・カールと並べても世界観がそろった
失敗・反省点
- ドライブラシを効かせ過ぎたかも。加減が難しい
- ウォッシングを約1:1で希釈したら少し薄すぎた。次はもう少し濃いめで
- ゲート処理で一部に抉れ。ニッパーの切れ味と際の攻めすぎに注意
挑戦したこと・次の一歩
- 工程順の見直し(ドライブラシを艶消しの後=ほぼ最後に回す)に挑戦して成功
- 次はチッピングの加減コントロールを安定させたい
- 金属色は GX218 と焼鉄色を、艶消し仕上げ前提で使い分けてみたい
完成ギャラリー
砂漠仕様のメッサーM01型、完成です。前作の グスタフ・カール00型 と並べた対決カットも撮ってみました。
使用塗料
関連記事:HG グスタフ・カール00型 製作記録
